
ローコスト住宅のメンテナンス費用はいくら?
初期費用が安い分ランニングコストはやっぱり高いの?
本記事ではあなたのこんな疑問にお答えします。
- ローコスト住宅にかかる実際のメンテナンス費用
- ローコスト住宅に必要なメンテナンスの種類
- 意外と知らないメンテナンス期間を長くできる素材
- 大手ハウスメーカーとどちらが安いのか?
ローコスト住宅は建築費用が安い分、メンテナンス費用が高いって聞きますよね。
ぶっちゃけどうなのか?

この記事ではローコスト住宅に5年住んでいる私の体験談を交えて、ローコスト住宅のメンテナンスについて徹底解説します。
ローコスト住宅のメンテナンス費用はいくらかかる?

ローコスト住宅のメンテナンス費用は、
30年で約495万円かかります。

1ヵ月分はいくらなの?
495万円÷360カ月(30年×12カ月)=1.375万円

メンテナンス費用として、
月々1万4千円積立ておくと安心ですね。
ローコスト住宅の10年後のメンテナンス費用は100万円
5年点検にきて頂いた際に業者の方に直接聞いてみたので、まとめると・・
- 外壁は損傷がなければ10年で塗装しなくてOK
- 長ければ15年ほどそのままで大丈夫
- ただし外壁同士をつなぐシーリングは打ち換えしましょう
- ベランダの防水処理も一緒にやっておくべき
- シロアリ予防は10年経つ前に効果がきれるのでやったほうがいい
外壁の塗り替えは無しで計算すると、大体100万円あれば大丈夫とのことでした。
ローコスト住宅に必要なメンテナンスの種類
ローコスト住宅のメンテナンスは主に5種類。
- 外壁
- ベランダ・バルコニー
- 屋根
- シロアリ予防
- 給湯器
それぞれくわしく見ていきましょう。
外壁のメンテナンス費用

ローコスト住宅の外壁のメンテナンス費用は、
1回あたり100万~150万円かかります。
- 窯業系サイディング
- モルタル
- 金属サイディング(ガルバリウム鋼板)
- ALC
- タイル張り
- 木製サイディング
注文住宅全体の外壁に使われている素材の割合を表したグラフ


新築のローコスト住宅でよく使われているのは、窯業系サイディングとガルバリウム鋼板ですね。
タイルやモルタルは性能がいいんですが、
初期費用が高いのでローコスト住宅ではあまり使われていません。

外壁色は白系が断トツ人気だよ!

窯業系サイディングのメンテナンス期間
窯業系サイディングのメンテナンスは10年に1回が目安です。
窯業系サイディング自体の寿命は30年~40年といわれていますが、
継ぎ目のシーリング材や表面の塗装が先に劣化します。
これが『ローコスト住宅はメンテナンス費用がかかる』といわれている原因の一つ。
メンテナンス期間は短いですが、デザイン性が高くて初期費用が安いです。
そのためローコスト住宅でよく使われています。
最近5年点検にきてもらった時に業者の方にこう言われました。

10年後にシーリングは必ず交換。
外壁はその時に判断しましょう。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス期間
ガルバリウム鋼板のメンテナンスは15年に1回が目安です。
- 金属のため防水性に優れている
- ひび割れの心配がない
- 塗装がはがれるとサビる可能性がある
- 海沿いの家や飛来物による傷には注意が必要

金属感がかっこよく、シンプルモダンな家を建てたい人に好まれます。
ベランダ・バルコニーのメンテナンス費用

ベランダ・バルコニーのメンテナンス費用は、防水の種類と1㎡ごとに変わります。
種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 4000~7000円/1㎡ | 7~15年 |
FRP防水 | 5000~7000円/1㎡ | 10~12年 |

最近よく使われるのがFRP防水です。
一般的なベランダの大きさは8㎡なので、
40000円~56000円で防水処理できます。
メンテナンスは外壁と一緒に行うことが多く、10年に1回が目安です。
インナーバルコニー等、1階のうえにある場合はしっかり防水処理しないと雨漏りの原因になるので注意しましょう。
屋根のメンテナンス費用

屋根のメンテナンス費用は、屋根の種類や劣化具合によって変わります。
- スレート屋根
- ガルバリウム鋼板屋根
- セメント瓦・モニエル瓦
- アスファルトシングル
- 粘土瓦
ローコスト住宅に使われるのは基本的に『スレート屋根』です。
スレート屋根のメンテナンス費用
スレート屋根のの耐用年数は20~30年で、
メンテナンス期間は10年に1度が目安。
- 塗装・・30万~60万円
- カバー工法(重ね葺き)・・60万~150万円
- 葺き替え・・80万~200万円
おもに10年に一度塗装して、20~30年に一度必要なら葺き替えをします。
シロアリ予防のメンテナンス費用

シロアリ予防の費用は1坪当たり、4000円~7000円です。
1階の面積だけで計算するので、
20坪の場合、8万~14万円ほど必要。
最近のシロアリ予防の効果は5年になっており、5年に1回施工するのがベストです。

効果が5年じゃ短くない?
もっと長くできないの?
確かに5年って意外と短いですよね。
昔は何十年も効果のある薬剤を使っていたのですが、
薬剤が原因で体調不良を訴える人が続出しました。
そのため、人や環境に配慮して5年で自然に分解される薬剤に作り替えられたのです。

べた基礎ならシロアリ予防しなくてもいい?
べた基礎でもシロアリ被害は受けます。
基礎や配管のわずかなすき間から入ってくるので、シロアリ予防は必要です。

給湯器のメンテナンス費用

給湯器はガスだとエコジョーズ、
電気だとエコキュートが一番費用対効果がいいですね。
- エコジョーズ・・30万~40万円
- エコキュート ・・40万~50万円
給湯器に関しては、ハウスメーカーより専門の業者にお願いした方が確実に安く購入できます。
メーカーは給湯器の耐用年数は7、8年と公表していますが、
そのくらいで一度修理が必要になる可能性があるということです。

ガス機器メンテナンス会社に勤務していたので、ここは特に詳しいです
私は年間1000件以上の給湯器を修理点検してきましたが、
7、8年で全くダメになって本体交換になったことは1度もありません!
軽微な部品交換や調整で済むことが大半で、
数千円~高くて1万5千円の修理代です。
10年を超えて給湯器のメイン部品が交換になった場合、部品代だけで5万円かかります。
そうなった場合は、ほかの部品もガタがきているので本体交換をおすすめします。
画像上部の銅色の部分がメインで、ヤカンのような役割をします。

とはいえ、いきなり動かなくなってしまうのが給湯器・・
特に出力が必要となる冬場に故障が多発します。
その分交換する家が増えるので、
職人が出払っているため本体交換の工事までに1週間かかることだってあります。

1週間お風呂なしとか無理!
その間は近くの銭湯にいってもらうことになりますので、
不具合があれば早めの交換をおすすめします。
メンテナンス費用だけは大手ハウスメーカーのほうが安い

大手ハウスメーカーのほうが初期費用が高い分、メンテナンス費用だけは安く済みます。
ローコスト住宅とのメンテナンス費用の違いは『屋根』と『外壁』です。
タイル等の高級素材にした場合、
それぞれ100万~150万円ほど大手ハウスメーカーのほうが初期費用が高くなります。

屋根と外壁で300万円の上乗せはきつい!
その分メンテナンス期間が長いので、
30年ほどのスパンで考えれば大手ハウスメーカーの方が安くなるんですね。
- ベランダ・バルコニー
- シロアリ予防
- 給湯器
この3つについてはローコスト住宅でも、
大手ハウスメーカーでも、費用に変わりはありません。
注文住宅である以上絶対必要になってくる部分です。
いきなりこんな出費は払えない!!
なんてことにならないために、
ローコスト住宅はメンテナンス費用をこつこつと積み立てておくことが大事です。

月々1万4千円貯めておけば安心ですよ。
メンテナンス費用は分かったけど、
そもそもなぜローコスト住宅は安いのか気になりませんか?
こちらの記事でローコスト住宅が安い本当の理由をくわしく解説しているのでぜひ確認してください。
>>ローコスト住宅はなぜ安い?関係者が語らない本当の理由を公開
メンテナンスが少ないハウスメーカーの探し方

ローコスト住宅でもランニングコストが安くて、
メンテナンスが楽な家ってないのかな?

ローコスト住宅でも、
素材によってはメンテナンスを楽に安くできますよ。
ハウスメーカーによって使用する素材が違うので、
カタログや資料を比較検討してみましょう。
とはいえ、1件ずつ資料請求するなんてめんどくさいですよね?
そんな時は、気になるハウスメーカーのカタログを一括請求できる無料のサービスが便利です。
私も家づくりに利用して建築費用自体を約300万円安く建てられました。