ローコスト住宅の耐震性って大丈夫?
耐震等級3にできる?
本記事ではあなたのこんな疑問にお答えします。
- ローコスト住宅の耐震性
- 耐震等級3の必要性と地震に強い家の仕組み
- 地震保険の割引制度について
- 地震に強いハウスメーカーを選ぶ方法
注文住宅の耐震性をおろそかにしていると、震度7の地震が1回きただけで倒壊する可能性があります。
そうならないために、ローコスト住宅でも耐震等級3が建てられるかどうかは非常に重要です。
本記事ではローコスト住宅の耐震性や耐震等級3の重要性についても解説するのでぜひ参考にしてください。
当ブログ「ローコストハウジングナビ」では2017年に耐震等級3の注文住宅を建てています。それらの経験をもとに解説します。
ローコスト住宅の耐震性は大丈夫?
ローコスト住宅でも耐震性に問題はなく、耐震等級3も可能です。
ただし、多くのローコストハウスメーカーでは標準仕様が耐震等級2になっています。
そのため耐震等級3にするには制震ダンパーを付けるなど、別途費用がかかる場合があります。
同じハウスメーカーでも間取りや建材によって耐震等級は変わってくるので注意が必要です。
ちなみにタマホームの「大安心の家」は標準仕様で耐震等級3です。
私が建ててもらったヤマト住建では、『エボルツ』という制震ダンパーを取り付けて約70万円の追加費用でした。
- 製品名・・エボルツ
- 費用・・約70万円
- 仕様本数・・12本
- 保証期間・・20年
制震ダンパーの保証書がこちら。
ローコスト住宅でも耐震等級3は可能だとお話ししましたが、そもそもなぜ耐震等級3が必要なのか?
耐震等級3の重要性を解説する前に、まずは耐震等級の基準をおさらいしましょう。
注文住宅の耐震等級3.2.1の基準
耐震等級とは建物の耐震性能を表すもので、どれだけ地震に強いかの基準です。
- 耐震等級1:震度6強~震度7の地震で建物が倒壊しない
- 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性がある
- 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性がある
震度6強~震度7は多くの被害を出した、阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの地震です。
1981年に改正された建築基準法により、以降の建物はすべて耐震等級1をクリアしなければならないと法律で決まっています。
令和の住まいは耐震等級1はもちろん、2も当たり前に実現しています。
耐震等級3の耐震性は耐震等級1の約8倍もあり、はるかに安心できるというデータも出ています。
- 耐震等級1:28%
- 耐震等級2:7.9%
- 耐震等級3:3.5%
- (参考文献:日本地震工学会論文集7巻6号より)
耐震等級1だと4件に1件は倒壊しますね・・
2016年の熊本地震では最大震度7が2回計測され、大規模な被害が発生。
耐震等級1、2の住宅は複数が倒壊しました。
そんな中、同じ地域でも耐震等級3の住宅はほぼ被害なしか、軽微な被害だったことが報告されています。
○ 旧耐震基準と新耐震基準の木造建築物の倒壊率に顕著な差があったのは、新耐震基準は旧耐震基準の約1.4倍の壁量が確保されているためと考えられる。
○ なお、住宅性能表示制度による耐震等級3(倒壊等防止)の住宅は新耐震基準の約1.5倍の壁量が確保されており、これに該当するものは、大きな損傷が見られず、大部分が無被害であった。
国土交通省熊本地震建築被害
大地震はこれから30年の間に必ず起こるといわれています。
せっかくのマイホームをつぶされたくないなら、絶対に耐震等級3はクリアしてください。
でも家で大切なのは耐震性だけではないですよね?
ローコスト住宅の断熱性、防音性、耐久性も快適な生活には欠かせません。
こちらの記事でローコスト住宅の性能を上げる方法を解説しています。
注文住宅の耐震構造
注文住宅の耐震構造は以下の3種類があります。
- 耐震構造:地震を受け止めて耐える
- 制震構造:地震の揺れを制震ダンパーで吸収する
- 免震構造:地震の揺れを家に伝えない
耐震構造:地震を受け止めて耐える
建物自体を地震に対して強度を上げ、地震の揺れを受け止めて耐えるのが耐震構造です。
現在の家は9割以上がこの耐震構造になっていて、揺れをそのまま受けるので家自体も揺れます。
地震の揺れに耐えづづけて中の人を守ってくれます。
制震構造:地震の揺れを制震ダンパーで吸収する
制震ダンパーで地震の揺れを吸収するのが制震構造です。
耐震構造に比べて地震の揺れを20%~30%程度減らすことができます。
制震ダンパーには以下のようにいろんな種類やデザインがあります。
- 鋼材ダンパー
- 油圧式ダンパー
▼これは住友理工株式会社の『TRC30-A』という在来軸組工法用の鋼材ダンパーです。
▼これはトキワシステムの『αダンパーEXⅡ』という油圧式ダンパーです。
制震ダンパーは壁や柱の内側に取り付けるので、家が完成してからは見えなくなります。
施工途中に見学に行くと、実際に制震ダンパーをチェックできますよ
免震構造:地震の揺れを家に伝えない
建物の基礎にゴム素材の免震装置を設置し、地震の揺れを建物に直接伝えないのが免震構造です。
耐震構造と制震構造が相手のパンチをガードするのに対し、免震構造は相手のパンチを受け流す、合気道のイメージ。
免震構造は地震対策として非常に有効で、警察署、病院、マンションといった大きな不動産で取り入れられています。
しかし、約400万円と非常にコストがかかるのが難点です。
取り扱っていないハウスメーカーも多いため、ローコスト住宅に取り入れるのは難しいでしょう。
免震装置はタイヤで有名なブリヂストンが作っています。
注文住宅は工法によって耐震性能が変わる
家を作る工法によって耐震性は変わります。
- 木造工法
- 鉄骨組工法
- 鉄筋コンクリート工法
工法①木造工法
木造住宅は大きく分けて、木造軸組工法と木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の2種類。
ローコスト住宅は木造枠組工法を採用していることが多いです。
簡単に説明すると、
木造軸組工法は家を点で構成しています。
一方、木造枠組工法は家を面で構成しています。
- 間取りの自由度が高い
- 大きな空間を作りやすい
- リフォーム時に間取りの変更がしやすい
- 面で構成しているので耐震性が高い
- 木造軸組工法よりも防火性が高い
- すき間が少ないので気密性能が高い
工法②鉄骨組工法
木造軸組工法で使用している素材を、
『木』から『鉄』にかえたものが鉄骨組工法です。
鉄のほうが強いので、木造よりも壁や柱を減らすことができます。
- 素材による品質の差がない
- 白アリ被害の心配がない
- 建築費用が木造と比べて約1000万高い
- リフォーム費用も高くなる
工法③鉄筋コンクリート工法
網目状にした鉄筋にコンクリートを流し込んで柱や壁を作ります。
高層ビルやマンションなどでよく使われている工法ですね。
- 耐震、耐火、防音、劣化、断熱性能に優れている
- デザインの自由度が高い
- 工程や材料が多いので建築費用が高くなる
ローコスト住宅の地震保険
地震保険には4つの割引制度があります。
以下の当てはまるものの中から、一番割引率が高いプランを希望できます。
- 建築年割引(割引率10%)
- 耐震等級割引(割引率10%~ 50%)
- 免震建築物割引(割引率50%)
- 耐震診断割引(10%)
耐震等級が高いほど、割引率も高くなります。
一般的なローコスト住宅の場合、耐震等級割引を使うことになるでしょう。
地震保険の保険料について
- 保険料は建物の構造と所在地によって決定する
- 木造よりも鉄骨やコンクリートのほうが保険料は安くなる
ちなみに東京、神奈川、千葉は、全国で一番保険料が高い地域になっています。
地震保険料控除のしくみ
地震保険料控除とは、1年間に払った地震保険料に応じてその年の所得から控除し、所得税と住民税を軽減できる制度のこと。
地震保険は火災保険とセットで契約しますが、火災保険料の分は控除対象外です。
まとめ:地震に強いハウスメーカーの選び方
- ローコスト住宅でも耐震等級3は可能
- 制震ダンパーで耐震性をあげることもできる
- 耐震等級3だと地震保険も安くなる
- 工法によって耐震性は変わる
できるだけ地震に強いメーカーを選ぼうと思っても、どのハウスメーカーが地震に強くてコスパがいいのかわからないと思います。
地震に強いハウスメーカーや工務店を選ぶには、複数社の資料を集めて比較することが重要!
そんな面倒な資料集めを3分でできるのが、無料の資料一括請求サービスです。
私も利用して耐震等級3のローコスト住宅を建てました!
資料を集めて比較し、自分に合ったハウスメーカーを選ぶのが『安心できる家づくり』の第一歩といえます。
以下の記事では私も利用した注文住宅の資料一括請求サービスのランキングをご紹介しているのでぜひ参考にしてください。