ローコスト住宅の断熱性、防音性、耐久性は大丈夫?
いくら費用が安くても、ある程度の性能がないと不安なんだけど・・
本記事ではあなたのこんな疑問にお答えします。
- ローコスト住宅の実際の断熱性能(Ua値)、防音性、耐久性を公開
- 9割の人が知らない窓に費用をかけた方いい理由
- ローコスト住宅の窓はぽたぽた結露するのか?
- 【もはや常識】断熱性と気密性を高くする方法
結論からいうと、ローコスト住宅の断熱性能(Ua値)、防音性、耐久性は国が指定した基準値をクリアいるのでまったく問題ありません。
なぜそんなに基準をクリアできるかというと、窓の性能がいいからです。
ではなぜ窓に費用をかけると段違いに性能が変わってしまうのでしょうか?
この記事を読むとローコスト住宅は窓に費用をかけるべき理由がわかります。
結果、結露や床冷えに悩まされることのない快適なマイホームが手に入りますよ。
私は2017年にローコスト住宅を建ててから5年住んでいます。それらの実際の経験をもとに解説します。
【事実】ローコスト住宅の断熱性能(Ua値)は基準値を楽にクリア
ローコスト住宅の断熱性と気密性は大手ハウスメーカーに引けを取らないどころか、国が定める基準値を楽にクリアしています。
結果、夏涼しく、冬暖かいので毎日快適に過ごせます。
断熱材の種類や窓の種類で断熱性能は大きく変わりますが、大手ハウスメーカーで建てても同じことです。
ローコスト住宅の実際の断熱性能(Ua値)は0.44
私の建てたローコスト住宅の断熱性能(Ua値)は、地域の基準値である0.87を大きく下回る0.44を達成しています。
- 数値が低いほど断熱性能が高いことを表す指数
- 数値が低いほど断熱性能が高い
- 家全体の値なので、壁の断熱材との兼ね合いがある
ちなみにUa値0.44は北海道の基準である、0.46を下回るほどの数値です。
ローコスト住宅でもなぜこれほどの数値が出せるのかというと、オール樹脂サッシや、Low-Eペアガラスの窓を採用したからです。
ローコスト住宅性能の良い窓を採用するべき3つの理由
快適に暮らしたいなら、性能の良い窓を採用するのはもはや常識です。
窓は家全体の3つの性能に大きく関係しているからです。
- 断熱性
- 防音性
- 耐久性
理由①窓はローコスト住宅の断熱性に関係する
省エネルギー建材普及センターによると、窓からの熱移動が家全体の58%~73%を占めています。
ということはいくら良い断熱材を壁や屋根に使ったとしても、窓の断熱性が低いと全く意味がありません。
家全体の断熱性を上げるためには、『断熱材』と『窓』の両方のバランスが大切というわけです。
たとえば窓が120点の性能でも、壁が50点の性能だと断熱性の良い家にはならないので注意してください。
さらに断熱性はZEHにするためや、電気代節約に関係するので非常に重要な要素でもあります。
理由②窓はローコスト住宅の防音性にも関係する
外からの音は空気振動によってほとんどが、窓ガラスとサッシのすき間から入ってきます。
そのため、窓は家の防音性にも大きく関係しています。
壁よりも窓の方が薄いので当然ですね。
理由③窓はローコスト住宅の耐久性に関係する
関係ないように思うかもしれませんが、窓は家全体の耐久性に大きく関わっています。
窓が結露することで窓周辺内部の木材が濡れてしまうからです。
木材が濡れることで、カビの発生や腐食が見えないところで進み、家全体の耐久性が知らないうちに落ちていきます。
そして本当に恐ろしいのは、腐食が窓周辺だけでは収まらないところです。
画像のように家の中に窓から冷たい空気が入ることによって、家全体の壁にも内部結露が発生します。
結露は家全体がじわじわと蝕んでいくことから、「家の病気」と呼ばれているほどおそろしい現象です。
もしあなたの家が結露がしやすいなら、壁をはがせばこんなことになっているかも・・
以上の3つが窓に費用をかけるべき理由です。
窓に費用をかけないといけないのは分かったけど、どこまで性能をあげればいいの?
性能はもちろん最上級のグレードがいいですが、それではローコスト住宅のメリットが生かせません。
費用対効果(コスパ)の良い窓にするには、地域ごとに一定の性能まであげれば十分です。
窓の性能を理解するために、まずは窓の構造からご説明します。
家を建てるなら知っておきたいローコスト住宅の窓を構成する3つの部品
窓は以下の3つの部品から構成されています。
- ガラス
- サッシ
- スペーサー
窓の部品①ガラスの構成と性能
ガラスの構成は以下の3種類。
- シングルガラス・・1枚
- ペア(複層)ガラス・・2枚
- トリプルガラス・・3枚
単純に窓に何枚ガラスの層があるかで呼び方が変わります。
平成初期まではシングルガラスが当たり前でしたが、今の注文住宅では複層ガラスが一般的となっています。
令和ではローコスト住宅でも複層ガラス以上を標準装備としているハウスメーカーがほとんどです。
ガラスの中間層にはガスが入っている
複層ガラス、トリプルガラスの間には
乾燥空気かアルゴンガスかクリプトンガスのいずれかが封入されています。
乾燥空気<アルゴンガス<クリプトンガス
となっており、クリプトンガスのほうが効果は高く、価格もたかいです。
さらに高性能なLow-E複合ガラス
Low-Eとは『Low Emissivity』の略で『低放射』という意味。
Low-E複合ガラスは特殊な金属膜により日差しをカットし、
家の中の熱は逃がしにくい構造となっています。
種類は2つあり、地域によって使い分けられています。
- 断熱タイプ・・寒さが厳しい地域向け
- 遮熱タイプ・・関東より西の夏熱い地域向け
窓の部品②サッシ
サッシは3種類。
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- オール樹脂サッシ
アルミサッシ
- アルミニウム合金でできていて軽い
- 安価で耐久性が高い
- 昔ながらのおなじみのサッシ
- 非常に結露しやすい
アルミサッシはいまでも賃貸では一部使われていますが、現在の注文住宅ではほぼ使われていません。
ローコスト住宅でも標準装備からは外れています。
アルミ樹脂複合サッシ
- 室内側が樹脂、外側がアルミでできている
- 樹脂とアルミ両方のメリットを生かしたハイブリッド型
- 近年一般的によく使われている
- 半分樹脂でも余裕で結露する
ローコスト住宅では標準装備の場合が多いよ
オール樹脂サッシ
- 名前の通り、全て樹脂でできたサッシ。
- 断熱性と防音性に優れている
- 地域によるが、かなり結露しにくい
- 他の2つに比べてコストがかかる
私の住む近畿地方では雪が降っても、5年間一度も結露したことがありません。
欧米諸国では結露するのは欠陥住宅だという考えがあり、オール樹脂サッシが当たり前に装備されています。
窓の部品③スペーサー
複合ガラスとトリプルガラスの中間層を作る為にスペーサーが使われます。
シングルガラスだと必要ないよ
スペーサーにはアルミと樹脂の2種類があり、特徴はサッシと同様です。
アルミ樹脂複合サッシの場合、
どちらのスペーサーが使われているかはメーカーによって変わります。
オール樹脂サッシはもちろんスペーサーも樹脂が使われています。
ちなみに外から見えるものじゃないですよ。
【もはや常識】ローコスト住宅の断熱性と気密性を高くする方法
ローコスト住宅の断熱性と気密性を高くするには、オール樹脂サッシは必須!
窓の結露でストレスがたまったり、
内部結露で家が腐食することを考えれば絶対にやるべきです。
何層のガラスにするかは、
地域ごとの基準を満たしていればオッケー。
この表のとおり、
自分がどこの地域かによって必要なUA値が変わってきます。
私の住む近畿地方の5地域だと、
窓は以下の性能で十分とハウスメーカーの方に言われました。
Low-E複合ガラス+アルゴンガス+オール樹脂サッシ
ちなみにキャンペーン中だったので、
無料でトリプルガラスにグレードアップしてくださり、UA値が0.44になりました。
5年住みましたが、
雪が降っても全く結露はしていません。
余裕があればグレードを上げた方が良いですが、5地域で費用対効果が良いのは
複合ガラス+アルゴンガス+オール樹脂サッシでしょう。
窓はハウスメーカーによって、
取扱いしている種類や費用がかなり変わります。
まずは複数社から資料請求して、
できるだけ費用対効果(コスパ)の良い会社を選んではどうでしょうか?
以下の記事では私も利用して300万円安くなった、ローコスト住宅の資料一括請求サービスについて解説しているのでぜひ参考にしてください。
>>300万円安くなった!無料の資料一括請求サービスランキング
まとめ:もう一つローコスト住宅の耐震性も非常に重要
- ローコスト住宅は窓に費用をかけるべき
- 窓は断熱性、防音性、耐久性の3つに大きく関係している
- 窓の構造はガラス、サッシ、スペーサーの3つからできている
- オール樹脂サッシにするとほぼ結露しない
- 近畿地方は複合ガラス+アルゴンガス+オール樹脂サッシにすると費用対効果が良い
ローコスト住宅にはもう一つ大事な性能がありますよね?
そう、耐震性です。
ローコスト住宅の耐震性について、
こんな疑問があるのではないでしょうか?
- 地震がくるとすぐ倒れる?
- ローコスト住宅でも耐震等級3は可能?
- さらに地震に強い家にするには?
こんな疑問をこちらの記事でくわしく解説しているのでぜひ確認してみてください。